不協和音


「はよー、沙也」
「おはよう、直樹君」
「おう。しっかし、ジメジメしてるよなあ・・・。気持ち悪い」
「だね。直樹君って、夏が似合うよね」

爽やかで、いつも元気で、優しい。
太陽のように笑う直樹君のイメージは、「夏」だった。
でも、8月のようなあつさではなく、7月のような少し落ちついたあつさ。

「んー、だって、ほら、その・・・。俺さ、誕生日が7月だし」

照れくさそうに頬を掻く直樹君を、きょとんと見つめてから叫ぶ。

なんかこれ、同じようなことをこの間もしたような・・・。

いきなり叫んだ私は、クラスメイトは勿論、直樹君にも吃驚した顔で見られた。
・・・物凄く恥ずかしかった。

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