不協和音
「だらーん。あ、沙也っち、そのタコさんウィンナー頂戴!」
「重いよ、繭君。・・・はい、あーん」
「あーん」
いつの間に現れたのか、繭君は私の背後から首に腕を回し、抱きついている。
というか、乗りかかってきている、と言ったほうが正しい。
苦笑しながら、タコさんウィンナーを繭君の口へ放り込む。
すると、満足そうに笑う。
「繭ー、お猿みたいだよ!手長猿!」
「良いもーん。手長猿で良いもーん」
「拗ねないでよー、繭。チンパンジーに格上げしてあげるから!」
「ヤッター。チンパンジーだー」
「棒読みだし!あはは!」
何が楽しいのかよく分からない。
というか、双子のほうがバカップルと言ったほうが良いんじゃないの?
・・・まあ、カップルではないけど。
2人は、いつもくだらないことで笑う。
でも、そんな2人を見ているのが楽しかったりする。