ダンデライオン


『あの件、宜しくお願いしますね?』
『ええ、分かってますよ・・・。ああ、雨宮さんも、宜しくお願いします』
『ああ・・・。分かっているさ。あれが上手くいけば、私達の会社はもっと上手くいくだろう・・・。ふふふ』

いやらしい笑顔。息を荒くしながら、会話をする男達。自分の欲のことしか考えていない。その欲で自分達に利益があるとして、その他の者達への被害を考えていない。
なのに、なのに自分はその1人の雨宮家に仕えている。嫌なのに、ここにしか居られない。

否・・・、ここ以外に居場所がない。

そう思うと、暗闇の中へ落ちていってしまった。意識が、重くなる。
・・・いけない。今は、佳奈さんと話しているんだった。

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