花鎖
「お兄様・・・?」
「赤い薔薇はね、『愛情』とか『情熱』とかいろんな意味があるんだ」
「そうなんですか?」
「ああ・・・。これは君に贈るよ・・・。意味は、『愛情』だよ」
左手で少女に薔薇の花束を贈りながら、血塗れた右手は少女の頬へ添えられる。そして、その血塗れた手で少女の頬を血で汚す。
薔薇の花束にも微かに血が付着していたが、少女は気にしていないように笑う。
己の頬を血で汚されても、笑う。
「私も、お兄様を愛しています」
そして青年は少女に優しく口付ける。