俺様な彼氏
「可愛い…」


ボソッと呟いたはずなのにどうやら聞こえていたらしく…


「ん? そんなことを言ってんのはどのお口かなぁ♪?」


その笑顔の裏に何か隠されているような気がするんですけど…あたしの気のせい?


てかさ…


「顔、近い…」


そうなんだよ!!


なぜなら、ああ言った雪斗はあたしの顎を掴んで逸らせないようにしてある。


しかも顔の距離は10㎝くらい…。


あまりにも近すぎる!!


この距離は…
恋人だな、うん!!


「そ? この距離、結構…普通だと思うけど?」


ニコニコと笑顔の雪斗。


言ってる言葉が悪魔のこの方。


こんな俺様発言だからみんな、普通に騒ぐと思うけど耳元であたしにしか聞こえないボリュームで言ってるから…。


んー…。
なんであたしに対しては俺様口調な訳?


ずっと思ってた疑問。


まえ、理由を言われた気がするけど…なんだったっけ?


肝心なところを忘れてるとか…ありえない…。


「で? 誰が可愛いの?」


耳元から口を離し、普通に問い掛ける雪斗。


< 102 / 175 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop