俺様な彼氏
〜俺様男達との出会い・雪斗〜

治療が終わり、保健室から教室へと向かった。


ドアを開けた瞬間…マジで帰りたい、いや、帰ってしまおうかと思った。


なぜなら━━━

高校生とは思えないような幼稚な行動・追いかけっこをしているし、それに悪夢だと思いたい人物・綾が涼しげな表情で席に座っている。


あぁ━━━あたしの平穏になるはずだった高校生活を返して…。


心の中でそっと呟いた。


小さくため息をつきながら黒板へ視線を移す。


ぁ。 ラッキーだ。


あたしの１番好きな席、窓側の１番後ろの席である。


とりあえず騒いでいる生徒達を視界の隅に追いやりながら自分の席についた。


あー…なんか居心地いいクラスかも…。


とりあえずひんやりとした机に右頬をつけて窓の外を眺めた。


んー、温かな陽射し。


足を捻ったことも忘れるくらいの気持ち良さに穏やかな天気。


クラスの騒がしい雰囲気でさえ、心地好く感じる。


ガタンと隣の席が音をたてた。
フワッと漂ってくる香水の甘くて切なくなるような香り。


あ…余計に眠くなってきたかも。


眠気に襲われる瞳を軽く擦った。

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