俺様な彼氏
ぇ………
何故あたしの前で止まるの?


グルグルと頭の中を疑問符が回りはじめる。


すると稜は軽くしゃがんであたしの膝と腋の下に手をいれ持ち上げた。


そう………
いわゆる…お姫様抱っこ。


ぅわあ…顔、近い…


じゃなくて!!


なんであたしがお姫様抱っこなんかされてるの!?


しかも今、体育祭の途中だよ!?


「おぉっと!! 学園の王子が選んだのはお似合いと言われている、学園の姫だぁ!!」


これまた異常に盛り上がっている実況係。


いい加減、ウザいですよ?


しかも!!
学園の姫ってなんだよ!?!?!?


つかあたしのことか!?


って!!


気がついた稜はあたしのことをお姫様抱っこしたままゴールに向かって走ってるよぉ!!


は…恥ずかしい…。


真っ赤になっているだろう顔を見られないように俯いた。


そして堂々の一位でゴールした。


係の人が確認をとって了解を得たみたいだ。


そしてそのままあたしは屋上に連れて行かれた。


あたしにとって屋上は…嬉しくもあるが悲しくもある場所。


でも…ここで言わなきゃ後悔をする気がする。


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