俺様な彼氏
言おうとすると腕を引っ張られて有無を言わせない表情をされた。


ついた先は保健室。


「お礼は言葉じゃなくて行動で示してもらうから」


それだけを言うと燐はしていたメガネを外してニヤッと妖しく笑った。


すみません…その笑顔、裏に何か隠されていそうで嫌なんですけど…。


心の中でそっと呟いた。


そんなことを思っているときに持ち上げられた顎。


驚いた表情で見ていると


「お礼はキスがいいんだけど?」


妖しい笑顔を崩さずにそんなことを言う燐。


その言葉を聞いて瞬時に真っ赤になる素直なあたしの頬。


「ん?」


いや、疑問を投げ掛けられても…。


って!!!!


すでに燐のペースではないか!


勢いよく顔を振って燐の手から逃れた。


不機嫌そうな顔になる燐。


これ━━━この状況、ヤバいかも━━━。


「し…」


あたしは言葉を発した。


怪訝そうな表情になる真向かいに座っている人。


「失礼しました!!!!」


それだけ言い、急いで保健室を出た。


< 16 / 175 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop