俺様な彼氏
「あー…チョコねぇ………」
と小さく呟きながら大惨事になっていたキッチンに目をやった。
………亜鶴、何考えてる?
亜鶴の読めない行動にあたしはボケッとしていた。
「…とりあえず、何を作ろうとしてたの?」
自分の世界に入っていたから突然話し掛けられてビクッとしてしまった。
「えと…ブラウニー………」
……………。
答えると妙な沈黙が続いた。
え…あたし、なんかしくじっちゃいましたか?
てかこの空気だから…しくじっちゃったんですね…。
あぅ…とうなだれた。
「高度なモノを作ろうとしたんだねー」
冷ややかな目であたしを見ながらそんなことを言う亜鶴。
たしかに…お菓子作りが破滅的にダメなのになぜブラウニーを作ろうとしたのかというと…稜が前、『ブラウニー好き』って言っていたからだ。
好きな人のためにその人の好きなモノを作りたいって思ったんだもん………。
それを伝えれば…
「まぁそんな魅夜だからあたしも魅夜が好きなんだけどね」
と言ってくれた。
やっぱり亜鶴は…最高の親友だよ!!
もちろん、紫葡もね。