俺様な彼氏
階段を駆け降りて曲がる途中、何か…いや、誰かにぶつかった。


「ってぇ…」
「おっと…」
「きゃっ…」


ん? あたし以外の二人分の声…ってことはもしかしなくても…二人にぶつかっちゃった!?


慌てて謝ろうと顔を上げると…


「げっ…」


そこにいたのは裏表のある綾と一昨日いきなり人の部屋に入ってきてマイハニーとか言って抱き着いてきた響がいた。


生徒会長で同じクラスの綾がいることはまだ分かるけど…なんで響が…?


「げっ…とは何かな? 魅夜さん」


表顔で口元は笑ってはいるが目は笑っていないし、声が…。 さすが悪魔の生徒会長、綾だ。


って!! そんなことで感心してる場合ではないんだよ、あたし!


綾の怖い笑顔から逃れようと無意識のうちに後ずさりをしていたらしい。


言われるまで気づかなかった。


「魅夜、なんで後ずさりなんかしてんの?」


あ…。 あたし、後ずさりしてたのか…。


少し客観的に考えた。


綾に腕をグイッと引っ張られ


「後で…楽しみにしとけよ?」


耳元で、甘く囁かれた━━━。


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