俺様な彼氏
えっと…ここはなんて答えるべき?


覚えてるって言ったら、なら話は早い…とか言いそうだし…
覚えてないって言ったら、ならお仕置き…とか言いそうだし…。


どう答えればあたしが助かるのか誰か教えてください…(泣)


黙ったままでいると視界が急に暗くなった。


「ん?」


顔を上げると目の前に整った顔がある。


慌てて下に向けようとするがそれは稜の手によって拒まれた。


ぅ゙…
顔が近い…。


整った顔は苦手…。
しかも至近距離とか本当にやめてほしい。


「覚えてんの? 覚えてねぇの?」


さらに顔を近づけながら問いかけてくる稜。


頬にかかる髪の毛がくすぐったい。


「ん…」


思わず身をよじると


「誘ってんの?」


と、真剣な声で、眼差しで、耳元に囁いてきた。


誘う…?


誰を? ってか何を?


意味が分からない、という表情で稜を見上げるとそれに気づいた稜は「マジかよ…」とか言いながらため息をついた。


何なの?


「つまり…」


つまり…?


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