俺様な彼氏
雪斗だ。


開けかけていた包みを慌てて元に戻す。

ど…どぉしよ…。


屋上の出入口はただ一つ。


ただし、その場所には避けたかった雪斗がいる。


冷や汗が背中をながれていくのを感じた。


に、逃げる方法(逃げ切れる方法)を誰かあたしに教えて下さい。


涙目になりながら心の中で呟いてみた。


「お、魅夜〜。 こんなところにいたのか」


口の端を持ち上げながら、裏の顔でそう言う雪斗。


雪斗の本性、知らないでいたかったよ…。


こんなに表裏があるなら…。


いや…でもいずれは知ることになってたかな?


ただその時期が単に早まったって考えれば…。


………。


………………。


ダメだ…。


いくらそうだって言い聞かせてもせめてもう少しでもいいから時間が欲しかった…。


はぁ…。


泣きたく…てかマジで泣いてもいいですか?


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