俺様な彼氏

〜放課後〜

HRも終わり放課後になった。


みんなはさっさと帰りの準備をしている。


そんなに急いで…何か用事でもあるのかなぁ?


小さくため息をつきながらそんなみんなの様子をボケッとしながら見ていた。


「帰んねぇの?」


耳元でいきなり囁かれた声にビックリして椅子からずり落ちた。


「きゃっ…」


残ってる人がほとんどいないとは言え、恥ずかしい…。


「ったく…。 大丈夫かよ?」


あたしを椅子からずり落ちさせた張本人、響がため息を交えながらそう言った。


ため息つきたいのはこっちだよ。


「ほら」


差し出された手。


あたしは戸惑った。


だって…差し出された手が三つもあるんだよ?


普通に…戸惑うでしょ。


誰か確認するために視線を上へと持ち上げる。


「ほぇ…」


思わずマヌケな声が出てしまったあたし。


だって…だってさ!?
響は分かるけど、稜と燐も手を差し出してるんだよ!?


椅子からずり落ちさせた張本人だけなら分かるけどさ、関係ないこの二人が手を差し出してるのには意味が分からない。


唖然と見上げる。


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