俺様な彼氏
落ち着きを取り戻そうと上を向き、雲一つない空を見上げた。


夏の日差しはキツイけどカラッとした暑さはなんだか心地好い。


だいぶ落ち着き、授業も終わりをむかえた頃…。


バンッ


屋上のドアが開いた。


「魅夜…? いないと思ってたらサボってたのか…。 そりゃ見つかるワケないよな」


なーんて裏の笑顔満載で話しかけてくる稜。


「…稜。 サボり?」


気にすることもなく普通に聞き返したあたし。


あたし達の間ではすでにこれが日常化してる。


「そ♪ 分かってんじゃん、魅夜。 さすがだな」


と言いながらあたしの隣に腰を下ろす稜。


「どーも♪」


わざとらしく笑顔を向けながら答える。


そのあとの稜の行動は決まっている。


あたしが笑顔を向けたあとは必ず顔を逸らすってこと。


そして今日も…


見事予想通りに顔を逸らす稜。


可笑しくてクスクス笑うと…


「笑ってんじゃねぇよ」


と赤く染めた頬のまま言い返すお決まりの稜。


その顔が見たくてついついやっちゃう。


このキモチに名前をつけるとしたら…


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