俺様な彼氏
いつもより数倍低い声で言い放った。


「へぇ〜? 気ぃ強いんだ? でも残念♪ 君みたいな子で気ぃ強い子って鳴かせてみたくなっちゃうんだよな…」


耳元で囁く男。


何が鳴かせてみたくなる…だ。
ふざけんなッ!!


「んじゃ、こっち〜」


もう一人の男があたしの腕をぐっと引っ張る。


腕を振り払い、睨みつける。


「…無理矢理連れていってもいいんだぜ?」


脅しをかけてくる。


「そんな簡単にいくかっつーの」


言ってないけどあたし、武術全般、なんでも熟(こな)すよ?


空手と柔道は黒帯持ってるし♪


男二人組がニヤッと笑った瞬間。


後ろから抱きしめられた。


「俺の彼女に何か用?」


低くて冷たい声で言った稜。


こんなときに彼女放ってどこに行ってたのよ!?って問い詰めたくなる…。


「チッ…男連れかよ…」


とか言ってどこかに行った。


「悪ぃ…。 まさかナンパされるとは………思ったけど、一人にして悪かったな」


ギュッとあたしを抱きしめながらそう呟いた稜。


分かってて置いてきぼりにしたのかよ!?


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