俺様な彼氏
「………。 あー…もう!! 今から駅前に出てこれる?」


はぇ?


いきなりのことで思考回路が固まる。


と同時に涙も引っ込む。


「あ…うん。 分かった…」


じゃあ…と言って雪斗は電話を切った。


泣き腫らした顔を鏡で見て、苦笑いを漏らす…。


酷い顔してるな。


蒸しタオルと冷やしたタオルを交互にあてて今さっきよりマシにする。


軽くメイクをして家を出た。


……………。
……………………。


「お待たせ」


駅の前にある噴水のところに雪斗はいた。


「ん? そんなに待ってねぇから大丈夫♪ にしても…」


と言葉を止めた。


なんか…雪斗が言いたいこと分かったかも。


「酷い顔でしょ?」


言い当てるように言う。


黙ったまま頷く雪斗。
さりげなく…素直だな。


「あ、ここにいるのもなんだし…公園行かねぇ?」


たしかに駅前だけあって人通りが多いしここだと通行の邪魔になってしまう。


「うん…」


夏だけあってまだ明るい空を眺めながら言った。
時刻は7時前…。


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