My Friday
はぁ。と深くタメ息をつき、課長はしっかりと私の目を見て、
「ごめん。このリングは....フェイク。昔ダチに言われて、女除けに。あ゛ぁ~..この女除けのリングで好きな女まで誤解させてたとは......オレ最低だ....」
そう言って、課長は頭を押さえて椅子に座りこんでしまった。
....えっ?
今...好きな女って言った....?
聞き間違いじゃ....ないよね.....?
「い...今、....好きな女って....」
私が唖然とした面持ちで問いかけると、不安そうに、でもまっすぐと私の瞳を見て。
「お前以外に誰がいるんだよ、綾。」
どうしよう....。
さっきまでは、不安で悲しくて泣きそうだったのに....
今は違った意味で泣きそう.....
涙が流れないように、下唇を噛みしめて俯く。