MATO




「あーもう悔しいっ」

「何が?3本外したことが?俺に負けたことが?」

「嫌味?」

「ははっ、ごめんごめん」



コイツにだけは負けたくないと、入部した時からそう思っていた。
今では形こそ違うものの、気持ちは変わらないのに。

後藤に勝つために。後藤にだけは負けないように。



それができたら、

あたしは誰にも負けない。




漠然とだけどそう思っていた。




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