MATO
「そもそも首藤さんに関係ないじゃない。こっちの問題なんだから」
「関係ある。美砂はあたしの親友で後藤くんはあたしの彼氏の親友なんだから。それに首をつっこもうがつっこまないがあたしの勝手。あんた達があたしの言うことに逆切れしてるとしか思えない」
「あんたに直接関係ないじゃん。逆切れと思いたければ思えばいい。先に喧嘩売ってきたのはあんたでしょ。それに、彼氏の親友?男取っ替え引っ替えのくせしてよく言うよね。どうせ今の男もすぐ捨てるんでしよ、淫乱」
「負け犬の遠吠えにしか聞こえない、好きな男に相手してもらえないから妬んでるだけじゃないの?ひがんでんじゃねえよ」
…あたしが止めるしかない。
湯川さんには湯川さんのグループの子たちがいるし、人数的にはアウト。
だけどここであたしがマリナの味方として言い合いに加わったら、それはただの馬鹿だ。
一度二人に黙ってろと言われたけど、気にしてる場合じゃない。
このまま続くようでは、いつ後藤の耳に入るかもわかったものじゃない。後藤の耳に入ったら矢藤くんに知られたも同じこと。マリナだって矢藤くんに知られて嬉しいものではないはず。