ちゅーして♪

この男の子は同じく小学校から一緒の
立木里久【タツキリク】君。
すっごくいい人。

「まぁお前らが遅かったのはどうせ瑠璃のせいだろ??」

「そう!!
瑠璃ったら早くしなきゃいけないのにいつも通りに準備してたんだよ!!
まだトースト食べてるし…」

「ごめんなさい…
あれっ??和季【カズキ】は??」

「あいつは先に行ったよ。
瑠璃が遅いから待ちくたびれて…」

「そんな…」

「おい。里久嘘言ってんな。」

「あっ?
戻ってきたの和季??」

「寒いから4人分の飲み物買って来たんだろうが!!
どうせ瑠璃はトースト食べてると思って…」

「ありがとう和季。
遅れてごめんね??」

和季は孤児院で育った。
名前もつけられてないのに捨てられたため、孤児院の院長さんが名前を付けたけど、
本当の親が来たときにその名字を名乗れるように名字がないんだ…

でも和季には親がいないからかよくあたしの側にいてくれた…
お兄ちゃんみたいに優しくて、面倒も見てくれている。
まぁ中学に上がっても子供扱いだったけど。

でもその分和季はあたしのことなら何でも分かる。

「ほら瑠璃。
ミルクティー。少しぬるめにしといたから。
これなら飲めるだろ??」

「ありがとう。」

好みも、癖も、苦手なことも、アレルギーも。
和季は全部知ってる。

ホントの家族みたいに…
まぁ、和季が知ってることは全部和泉家の皆様は知ってるけど…





< 8 / 36 >

この作品をシェア

pagetop