Tear Drops
月と太陽
「ねぇ、おばあちゃん。何で空にはお星様があるの?」
「お星様かい?そうだねぇ…。あぁ、じゃぁ一つ昔話をしてあげようかねぇ。」
これは昔の話。
――太陽と月の物語。
まだ地球に人間が居らず昼も夜も存在しない頃、太陽の精と月の精が恋におちました。
二人はとても愛し合っておりとても幸せでした。
しかし、ある日神様がこの世界に沢山の生き物を作るから明るい昼と暗い夜を作ると言いました。
そして神様は二人に昼は太陽の精が、夜は月の精が空に昇るのだと言いつけました。
二人はそれを聞いてとても悲しみました。このままでは離れ離れにされて会えなくなってしまう。
何か良い考えはないだろうかと二人は考えましたが、何も思いつきませんでした。
――それならばと神様にお願いだから僕たちを離れ離れにするのは止めてほしいと二人で頼みに行きました。
でも、神様はもう決めたことだからと頼みを聞いてくれませんでした。
二人は泣く泣く離されてしまい、とてもとても悲しみました。
しかし二人は離れ離れになってもお互いを愛していました。
が、会うことも、言葉を交わすこともできない辛さに悲しんでいました。