(KS)Brand new cherry.
「藤市とは違う気配、つまりはお前の気配だな。それを感じたからだ。
この森には藤市以外滅多に立ち寄らないからな。
藤市の悪口を散々言ってしまった事は詫びよう」


頭を軽く掻きながら永は俯いたままの状態でみずきに言う。

湖面には揺れる永の姿が映し出され、彼が近くにあった石を投げた事により、

それは姿が分からなくなるほどに乱れた。

石の沈む音を聞き届けた後、みずきは漸く言葉を口にし始めた。

その言葉達は永からすれば驚き以外の何ものでもなかった。
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