あなたへ。
窓から、風が入ってくる。


母の髪がなびく。


優しい香りがした。

「緊張してる?」
「うん。ちょっとね」


中学までは近くの私立の女子校にいた。


けれど中学3年の初めに母が
「高校受験してみない?」と言った。

母のいうことだし別に私はよかった。でも母が受験を

勧めるという学校は共学の私立だった。

でも嫌と言えなかった。

男の人が苦手だった。男は嫌なことしかしない。

緊張・・・より怖い。


「着いたわよ」
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