わたしの王子サマ
「美緒には手ぇ出してねぇよ。それに俺もっ回ムショに戻るわ。」







「あ?」









なんでこんなにあっさりしてやがんだ?





「俺の昔話を美緒に話した。美緒は同情なんかの目じゃなくて純粋に俺をわかろうしとしてくれた。その目を見て俺何やってんだ。って馬鹿らしくなった。」







自潮ぎみに笑った斎藤の顔は切なそうだった。







「俺、更正するわ。」




そう言うこいつの目は輝きを持った目だった。
< 161 / 180 >

この作品をシェア

pagetop