あなたに会いに来ました
立ち上がった途端に
誠は目から何かが溢れるのを感じた
「え!?ま、誠さんごめんなさい
どこか痛かったですか??」
沖田がとても焦った様子で
聞いてきたので
誠はようやく自分が
泣いている事に気がついた
「ご、ごめんなさい!!
沖田さんのせいじゃないんです。
試合で負けたのなんて
久しぶりで…悔しくて」
拭っても拭っても涙が止まらなかった
(悔しい悔しい悔しい
負けるのってこんなに悔しいんだ)
「誠さんは強いですよ。
今回はたまたま転んだだけです。
今度試合をしたら
私でも勝てるか分からないくらい」
沖田はゆっくりと
誠の頭を撫でながら言った
誠はようやく止まってきた
涙を拭って笑った
「沖田さんありがとうございます」
沖田は自分の顔が
赤くなるのが分かって
あわてて顔を隠した
「沖田さん??」
誠が不思議そうな顔をしていたが
沖田は顔の熱を冷まそうと
それどころではなかった
「誠ちゃん可愛いな~」
「平助、誠のこと狙うの??」
「ちょっと本気気味
てかぱっつぁんも顔赤いよ」
「うるさい!!これは暑いだけ!!」
2人がこんな会話をしているとも知らず