=キング of ビースト= 2
「姫さんに兄か、弟は居るんかいな?」
俺が聞くと璃玖さんは分からないと答えたが夜琉さんはまた何かを考えていた。
『これねお兄ちゃんのなの…。勝手にもらっちゃったー…。』
以前夜琉の髪をいじっていた時に由莉はこう言っていて
その事を夜琉さんは思い出していた。
「由莉を連れて行く。」
決断を下した夜琉に迷いは見られない。
「その時は南月ー…」
「?」
「お前もここにいろ。」
「あいよ。」
「璃玖、このことは絶対外に漏れないようにしろ。」
「今回はかなり徹底しとく。」
そう言った璃玖さん。
「南月、遅くまで悪かったな。」
と謝って隣の総長部屋に行った夜琉さんの後ろ姿を見ながら
「夜琉さん、変わったやん。」
と呟いた。