=キング of ビースト= 2



私が玄関に行くと、後ろからお父さんとお母さんがお互いの腰に腕を回しながら仲良く私の後ろにたった。



「もぉ、大げさ。別に今日には帰ってくるのに。」


「ふふっ♪いいじゃないの。たまには♪ねぇ有志?」


「由莉と一緒に居る時間は大切にしたいんだよ。」


ずるい、そんな事言われたらなにも言えなくなる。


「わかったから。」


と言ってドアを開けると、家の入り口前にはベンツが止まっていて。


「夜琉?」


家の入り口に夜琉がもたれかかっていた。


「おせぇ。」


眉をひそめて言う夜琉。


私が愛している人はこんなにも優しい―…。

真夏まっただなかのこの暑い日に、車をでて待っている夜琉は優しい…。


「かっこいーっ!!!」


…忘れてたお母さん達の存在。


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