=キング of ビースト= 2
「莉菜、耳元で叫ぶな。」
眉をひそめているお父さんをシカトして
「由莉、やるじゃない♪」
とまた叫けぶ。
「…。」
「…。」
どうしようか?この状況。
夜琉は私に向けていた視線をお父さんとお母さんに向けた後、玄関のドアを開けたままの私に歩み寄って来た。
私の目の前に来ると、夜琉は私が握っていたドアを私の代わりに支えてくれて、もう片方の手で私の腰に手を回す。
すると私のお父さんとお母さんをまっすぐ見て
「長谷夜琉です。」
短く挨拶した。
まだはしゃいでいるお母さんの隣では
「私は由莉の父親の有志で、こっちは妻の莉菜だよ。」
お父さんが自己紹介をしていた。