=キング of ビースト= 2
「由莉も良い人見つけたのね。」
「うん、夜琉のいない世界に色はつかない。」
夜琉が居なくなったら、私は生きる意味をなくすだろう。
夜琉がいるからこそ、今の世界が色鮮やかに見えるんだ。
私がそう言うと夜琉の視線が私に向く。私の腰にある手に少し力が入り、さらにピタッと夜琉にくっついた。
「また今度ゆっくり話をしよう。」
お父さんがそう言うと
「はい。」
夜琉がゆっくり返事をした。
「いっておいで、時間をとってすまなかったね。」
「いえ。」
「じゃあ、行ってきます。」
「行ってらっしゃーい♪」
ぶんぶん手をふるお母さんを背に車に乗り込んだ。