=キング of ビースト= 2
凛は璃玖や紅雨からも強い視線を感じゆっくり目を閉じた。
「冷豹の前の総長は、俺の親友だった―…。かけがえのない…俺のたった1人の親友だ。」
はっきりとした口調で話し出す。
「だから、俺はトップシークレットだった前の総長の名字を知っているんだ。
俺にとって志音‐シオン‐は全てだった―…
志音が生きていたから、俺は生きているようなものだった…」
今にも泣き出しそうな震える声。
「でも、志音には俺ともう一人大切にしていた奴がいたんだー…。
それが金堂志音の妹…
―――…金堂由莉。」
璃玖が息を呑む。