=キング of ビースト= 2
「志音は、本当に由莉ちゃんを大切にしてた。
志音が冷豹に入ったのも、大きな理由は由莉ちゃんを守る為だー…。
由莉ちゃんの住んでいるところはちょうど那龍と冷豹の縄張りの境目だろう?」
「そうだね。」
と璃玖が短く返事をする。
「昔から志音と由莉ちゃんは有名だった…。
まぁ、あんたらは志音の顔を知らないだろうけど、由莉ちゃんの顔を見ていてわかるだろう?」
「…。」
「綺麗過ぎるんだよ。幼いうちから周りに言われていた。
でも小さいうちはいいんだよ。
でも大きくなると、綺麗だけでは済まされなくなる。
人間は欲望に満ち溢れたくずだからな。」
吐き捨てるように言った凛の目からは何の感情も感じられない。