=キング of ビースト= 2
「…あ゛?」
「は?」
大きく息を吸い込んだ凛は覚悟を決めて話し出す。
「俺の族の名前が冷豹だ。だけど志音を襲った族の名前は豹冷―…。」
「名前が…逆?」
紅雨は怒りを抑えながら呟く。
「元々俺達の族は一つだった―…。
だが‥志音が総長に任命された時に反乱軍ができた、
そいつらは、志音が総長になることに反対したんだ…。
その時に冷豹の反乱軍は、冷豹の字を反対にして豹冷と名乗り始めたんだ…っ」
「…じゃあ、志音を襲ったのは、元冷豹の仲間-…?」
紅雨が呟いたのと同時に南月は凛の首もとを掴んだ。
「…結局は全てお前ら冷豹が悪いじゃねぇかよ。」
怒鳴りはしないもののあまりにも冷たい口調に凛は背中に冷や汗がつたったのを感じた。