=キング of ビースト= 2
「これからどうすればいい?」
夜琉の顔には後悔がにじみ出る。
夜琉は自分の下した判断は間違えていた、と思っていた。
由莉を凛に合わせるべきじゃなかった。
強い後悔と、自分の情けなさに苛立ちを覚える。
「由莉ちゃんの支えは貴方よ…。
そばにいるだけでいいと思う―…。」
「いつ…」
目が覚める…?
最後を言葉に出来なかったのは、現実を受け入れたくないからだろう。
夜琉にとって由莉は、何にも変える事の出来ない存在。
いくら感情をあまり出さない夜琉でも、人間であることに変わりない。
広未は夜琉の言葉の続きを聞かなくても分かったらしく
「…分からない。今目を覚ますかもしれないし、
明日かもしれない。
もしかしたら一週間後かもしれないし、一年後かもしれない。
下手をすると10年後かもしれないー…。」