=キング of ビースト= 2
夜琉が倉庫を降りると既に車は止まっていて。
「どちらに?」
芯は鏡ごしで夜琉を見る。
夜琉の目には光がなく、感情の色が見えない。
由莉と出会う前の夜琉、いや、由莉と出会う前の夜琉よりも感情を失っているようだった-…
「由莉んち行け。」
静かに答えて、タバコに火を付ける。
今はちょうど10時。
芯はゆっくりと車を走らせた。
――――――
――――
広未が総長部屋をでた後
「由莉ちゃんは-…?」
総長部屋のドアの横に待っていた璃玖は眉をひそめ聞いてくる。
「今から説明する。」
と広未は言って璃玖と一緒に幹部部屋に足を踏み入れた。