=キング of ビースト= 2
「…強く、あれかー…。」
ポツリと呟いた紅雨は目を閉じ
「…凜の事はゆるさない。
だけど、ゆうゆうは誰かが傷つく事をよく思わないはずだから…
いつか、許す事が出来るように努力する…」
と言って紅雨は立ち上がり
俺も帰る
と言って出て行った。
紅雨の後ろ姿をジッと見ていた璃玖。
やっぱり紅雨は由莉ちゃんの事が好きなんだろうー…
ジッと見ていた璃玖の瞳は切なげに揺れていて
「璃玖、お前もしかして…」
紅雨の事が好きなのかー…?
凛は璃玖の気持ちを察して最後まで口にする事が出来なかった。
だけど璃玖は力無さげに笑う。
「どうだろうね。」
「ねぇ、凛。
人はどうして感情を持っているんだろうね。」