=キング of ビースト= 2
何も答えず、由莉の事を口にしたとたんにさらに不機嫌になった夜琉を見れば、由莉の容態わ簡単にわかる。
颯わ喧嘩に強いから特攻隊長をしているわけでわない。
キレる頭と知識、常に全体を見ている洞察力。
喧嘩ももちろん強いが、これらの事も含めて特攻隊長という名を背負っているのだ。
夜琉が2階に上がったのを見計らって下っ端達わ颯に群がる。
「颯、どうだ?」
「由莉さんわ相変わらずだと思う、けど…」
と言って一度言葉を切った颯わ問いかけてきた侑に視線を向けると
「夜琉さんも、まだ大丈夫だー…。」
「良かった。颯が言うんなら大丈夫だよ。」
「うん。ねぇ侑。」
「何?」
「やっぱり、夜琉さんわ流石だよ。」
「?」
「俺の問いかけに答えなくても、俺わちゃんと由莉さんの情報をつかむって分かったみたいだね…、夜琉さんわ。」
「夜琉さんわかなり頭がキレるからな。」
「まぁね。けど流石だね…。俺達那龍のトップなだけわある。」
「当たり前。」
「でも、夜琉さんの頭わ大丈夫だと分かっても、いくら夜琉さんと言えそろそろ体力的に危ないかもね…。」
「…。由莉さん早く戻って来て下さい。」
侑の切なる願いが儚げに揺れるー…。