=キング of ビースト= 2
窓から飛び下りた夜琉わ綺麗に着地すると、目の前にある自分のバイクにまたがるとエンジンをかけもの凄い勢いで走っていったー…。
「芯さん!!由莉ちゃんに何かあったんですか?」
璃玖が反射的に問い掛ける。
「たいしたことじゃない…」
「嘘をつかないで下さい。」
「…。」
「貴方わ、たいしたことじゃないのに取り乱したりしないでしょう?」
鋭く問い詰める璃玖わ、市村璃玖でなくー…
那龍副総長…の目をしていた。
「…ちっ!!!泣いた、らしい。」
「…泣いた?」
「…ああ。」
「じゃあゆうゆう起きたの!?!?!?!?」
パァァアっと明るくなった紅雨が話に入ってくる。
だが、
「…意識がないまま、だ。」
呆気なく、微かな希望わ打ち砕かれる。