=キング of ビースト= 2




「…―由莉‥。」


小さく呟いた夜琉わダブルベッドに寝かせてある由莉の近くに腰掛ける。



由莉の額にかかっている少し伸びた前髪を、そっと優しくはらう。


その後頬に指を滑らせ、優しく涙を拭き取ったー…




すると自然と引いていった涙を見て、夜琉わほんの少しだけ安心するように息をついた。




だが夜琉わ、見ないようにしていた由莉の腕にある点滴の跡を見てしまう…




見た瞬間に、バッと顔を逸らす。



苦痛に歪めていく表情わ、痛々しくて。


由莉や那龍だけでなく、夜琉も傷ついていたー…。




いくつもある点滴の跡。


いくら点滴で栄養を補っていても、


完全に栄養がとれるわけでわないー…



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