=キング of ビースト= 2
こんな有志を見ると現実に引き戻され、
思ってわいけない事を、思ってしまったのだと痛感させられたー…
「お前わ何も分かっちゃいねぇ。」
「…。」
「必ず人間わ死ぬー…。生を受けた日から死に向かって歩きだす。」
「…。」
「―…だからこそ、産まれてきた事を悔いてわいけない。」
「…。」
「…人間わ死に向かって生きていく。生に向かって生きていく事ができる人間なんていねぇ。
だけども、少しでも長く生きたいと願う人間もいるし、いたんだよ。」
「…。」
顔を歪ませて言った有志わきっと志音の事を想っていて。
「死ぬ事わ簡単だー…。人間わ脆いからな。でも、産まれてくる事わ難しいー…。」
「…。」
突然天上を見上げた有志わ震える声で言った。
「志音や、由莉、芯だって
―――……生まれてきた事が一番の幸せだと感じて欲しい。
この世に、同じ人間わ1人しかいねぇ。
感じて欲しいんだー…
志音で産まれてきた事に、由莉で産まれてきた事、芯で産まれてきた事に、
喜びを感じて欲しいー…。」