=キング of ビースト= 2
「芯、いくら何でもそれわ無理だー…。」
「どうして?」
「由莉をこのまま置いていく?馬鹿言うな。」
「…。」
「正直今だって由莉に会いたいし、この家に連れ戻したい。
俺と莉菜の一番の宝なんだー…。」
「…。」
「…夜琉の家になんて預けたくなかった。由莉わ俺の娘だからー…。
でも、夜琉と会った時の由莉の顔を見たら
適わない、と思ったよ…。」
有志が日本に帰ってきた日の事。
夜琉が由莉を迎えに行った日、玄関前で、顔を合わせた事を言っていた。
「まぶしすぎるぐらい幸せな顔をしてたんだ。
今の由莉にわ夜琉が何よりも必要で、大切な存在だと
顔を見ていたらすぐわかったよ。」
「…。」
「俺達が育てた由莉なのに、出会って間もない夜琉にしか見せない顔をしていたー…
その顔を見たから、俺わ夜琉に由莉を預けたー…。」