=キング of ビースト= 2
「夜琉の方が早かった、かー…。」
芯が出て行った部屋。
有志の声がリビングに響く。
有志わ額に手を当て、小さく
「志音、由莉ー…」
震える弱々しい声で自分の子供の名を呟いた。
「莉菜、おいで。」
とても優しい声色で、隠れて話を聞いていた莉菜を呼ぶ。
「有志ー…。ごめんなさい。」
「気にすることないよ。莉菜も由莉の親だ。子供の事を知る権利わ十分ある。」
盗み聞きしていた事を謝る莉菜だが、有志わ全く責めない。
当たり前だーー…
莉菜わ由莉の母親なのだから。
「グアムに行くの?」
綺麗なソプラノな声も今わ少しかすれていて。
「…ああ。悪かった、ひとりで勝手に決めて。」
「大丈夫。有志がやることわ間違ってないもの。」
「…。」
「…由莉が目覚めたら、一緒にまた日本に戻ればいいじゃない。」
「…ああ。」
返事をした有志の顔に莉菜わ手を伸ばす。
伸ばした手で頬を撫でる。
その2人寄り添う姿わ
偽りのない愛
を示していて、これからも2人わ仲良く生きていく事を
再認識していたー…。