=キング of ビースト= 2



そして、各自バラバラに行動を開始する。


「南月、取りあえず場所を移動させよう。」


「はいよ。」


2人が夜琉に近づき、触れようとした瞬間


「っ…触んな。」


夜琉の威圧的な声が聞こえた。


「夜琉っ!!」
「夜琉さん…!!目ぇ覚ましたんかいなっ」


「…。」


2人の言葉に反応することなくゆっくりと立ち上がる。


「夜琉…無理すんな。手ぐらい貸す。」


心配そうに言う弘樹が手を差し伸べるが、


「…触んじゃねぇよ。」


威嚇する。


立ち上がった夜琉わ、壁に体を預けながらゆっくりと歩く。


だけど体にわ限界がきていて。


「夜琉っ…!!」
「夜琉さん…っ」


フラッと前に倒れるが、


倒れる夜琉の体をふわっと受け止めたのわ


「お前、無理し過ぎ。少し休め…。」



芯だったー…。



璃玖と一緒に車で来た芯わ、車を止めたのと同時に夜琉の所に行ったのだ。


その時ちょうど夜琉が倒れて、優しく受け止めた。


普段絶対に他人に自分の体を触れさせない夜琉。


だけど芯が伸ばして来た手を見ても、逃げなかったのわ


芯と夜琉の信頼関係ー…。



夜琉が幼い時からずっとそばにいた芯。


夜琉にとって芯わ由莉の次に安心できる存在で。



芯の姿を見た夜琉わ安心して、かろうじてつなぎ止めていた意識を手放したー…



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