=キング of ビースト= 2
「…芯さん!!」
後から下りてきた璃玖わ芯の名を呼ぶと同時に泣きそうな顔をした。
「…っ」
芯に支えられている夜琉わ荒く息をしていて。
夜琉の事を良く知る人物達わ、自分の無力さを強く感じていたー…
酷く冷めたように見える夜琉わ不器用なだけで、本当わ優しい人間で。
自分達わ何度も夜琉に助けられてきたのに、夜琉が苦しんでいるとき、何も出来ない自分。
日に日に荒れていく夜琉を見てるだけしか出来なくて。
夜琉が倒れた今、夜琉が自分達を頼ってくることもなかったー…
璃玖がゆっくり、壊れ物に触れるかのように夜琉に手を差し出す。
「…ーっハァ…触んなってんだろ。」
ほとんど意識がない夜琉わ無意識に璃玖を否定した。めったに人が自分に触れる事を許さない。
「~~っ」
伸ばした手わ行き場を失い宙に凍りついた。
「璃玖、わりぃが今回わ夜琉の気持ち分かってやって。」
芯わ璃玖にフォローを入れると夜琉を支え、車に向かって歩き出した。