=キング of ビースト= 2
芯said
車のミラー越しに夜琉さんを見る。
荒い息が微かに聞こえ、今までかなり無理をしていたのがわかる。
路地裏から出た後、夜琉さんを乗せ自分も車に乗り込み、車を走らせること10分。後5分でマンションに着くと言うとき
ブーッブー
ブーッブー
という機械音がなった。
「ちっ!!」
軽く舌打ちをして携帯の画面を見つめるとそこにわ
―広未―
と表示されていて、周りを見渡し警察がいないか確認した後
「はい。」
電話に出た。
『芯?』
「ああ。」
『夜琉見つけたー…?』
「ああ、今そっちに向かってる。」
『何分で着く?』
「5分以内だ。」
『分かった。夜琉どんな感じ?』
「高熱と…頭痛っぽいな。」
『分かった。待ってるね。』
「ああ。」
そこで切れた電話を見ながら、1時間前の事を思い出した。