=キング of ビースト= 2
静かな部屋に、トントンと包丁がまな板を叩く音だけが響く。
俺わ、夜琉が行こうとしていた部屋に足を運んだ。
そこわ、真っ暗な部屋で。
俺わ電気のスイッチを押す。
明るくなった部屋にわ、綺麗に目を瞑っている由莉さんがいた。
黒のダブルベッドの真ん中に美しくも脆く寝ている由莉さん。
俺わそっと近づいた。
あの夜琉さんが、愛するたった1人の人間ー…
少し細くなったが、相変わらずのきれいな顔立ち。
ダブルベッドと横のイスに腰掛けた俺わ
「由莉さん、そろそろ起きて下さいー…。
俺達じゃ、夜琉さんを止められない…ッ
あなたが必要ですー…」
と言っていたー…。
目にかかっていた前髪を優しくはらうとイスから腰を上げ、ベッドを離れた。
0時ー…
ちょっど、日付がまわった時
俺わ寝室の部屋を後にしたー…。