=キング of ビースト= 2
ドアが勢いよい開いたのと同時に
「…由莉…っ…!!!」
私の大好きな
私の愛するハスキーな声が
私の名を口にしたー…
涙で歪む世界。
だけど焦るような不安定な顔をした夜琉がいる…
夜琉がいるという現実だけが私を支配していって。
浅い呼吸なんてどうでもよくて、深い眠りにつこうとする本能に強く逆らって
「…よ、るー…。」
気づいた時にわ私わ愛する人の名を口にしていたー…
夜琉わゆっくりと近いてきて、私の頬に優しく手を滑らせた。
「…っ、由莉ー…。
お前起きんのおせぇよ…。
まじ、辛かったー…。」
初めて聞く夜琉の本音に、自分が夜琉を苦しめていた事を知ったー…。