=キング of ビースト= 2
はぁ。
また俺の仕事が増える。
「なんで解散したくないわけ?」
俺はどうでもよさそうに聞く。実際どうでもいいし。
「先代が守ってきたものだ。」
「じゃあ、なんで那龍に攻めたわけ?負けるって分かってたはずだよね。」
「…。」
「はぁ。答えないならいい。俺だって暇じゃないんだ。」
そう言い残して立ち去ろうとした俺。だけどそう簡単にいかなかった。
「…那妃を一度見たかったんだ。」
「…那妃?」
無意識に眉をひそめ声を低くしてしまった。
「…金堂。」
冷豹の総長が呟いた。
『バァァァアン!』
俺は近くにあったバイクを蹴りあげた。
「なんで知ってる!?!?」
俺たちが今まで必死になって隠してきた由莉ちゃんの名字。
由莉ちゃんは俺たちと関わる前から有名だった。あんだけ綺麗な容姿だったら仕方ないが、俺たちはあらゆる手を尽くして必死になって隠してきてる。