メイドとご主人様の恋
あ、あれっ。 痛くない。
目を開けてみたら、母さんが代わりに殴られていた。
『か、母さん!!』
「あなた、子供にも手を出すようなら、別れます。」
「・・・。」
『母さん、大丈夫?』
「俺は、絶対、別れないから。そのつもりで、よろしく。」
「子供には、絶対、手を出さないで!!!」
親父はフッと笑って、部屋から、でていった。
母さんが急に、倒れた。
『母さん、母さん!!!』
「フッ、バカね。 惟を守った内に入ってないのに、倒れちゃうな・・んて……。」
『か、母ぁぁああさん!!』
母さんは、その頃から、今も入院している。
オレは、母さんを守れなかった悔しさと、親父への憎しみを、今も、持っている。
親父はオレと会うと、暴力は振るわないけど、言葉の暴力がひどい。
憎しみは募る一方。
だけど、本当に嫌いになれないんだ。
それに母さんも言ってた。
「あの人も最初から、あんなじゃなかったのよ。」って。
オレも、そう思う。
小さい頃は、スッゴク優しくて、心の広い人だった。
オレが、風邪を引いたときは、つきっきりで看病してくれた。
母さんが「看病するから」って言っても、譲らなかったんだっけ?(笑
ほら、あんなに憎んでいても、こんなにも親父との思い出が……。
でも、母さんも限界に近づいている。
それに、一週間前に、親父と会ったとき、不思議なことを言われた。
はっきり言って、意味が分からなかった。
なんか、嫌な予感がする…。
気のせいだといいけどな………。
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――――――…
「惟」と聞こえたから見てみたら、唯が心配そうにオレを見ていた。
よし、早く部屋に行こう。 疲れたし。
唯をどうしよっかな。
最近、つまんないし……。
そうだな。決めた。
オレ専属のメイドにしよっ♪
楽しみだな。