メイドとご主人様の恋
……………。
「ギャニャーーー〜〜!?」
ヤッ……ヤバいよ!? もう8時30分じゃん!!?
入学式…9時からなのにッッ!!
ダダダダ――
(急いでたから、階段から踏み外すところだったけど。)
きっとリビングにいるハズ!……いた!!
『おっお母さぁ〜ん! なんで起こしてくれなかったの!?』
「お母さんは、ちゃんと起こしてあげたわよ。 唯が『あと、5分。あと5分だけ。』って言って、気持ちよさそうに寝ちゃうんだもの。 だ・か・ら、起こすのは、悪いかなって思って☆」
『お、お母さん。。。なに、その最後の【☆】は!!』
「あら、いつものことじゃない。」
あ〜、そうだった。時間をムダにしちゃったよ……。
山田 由奈。私のお母さんなの。 お父さんは、小さいときからいなくて、お母さんが一人で育てくれたの。
お母さんは、人気ものなんだけど、すごく天然で、つかみどころがないのよ--…。
でも、人一倍優しくて、強くて、たくましくて、心が広い人なの。
お母さんには言ってないけど、私はお母さんみたいな人になりたいなって思ってるんだ。(いい意味で)
……って、そんなこと言ってる場合じゃないよ!
5分たってるし!!
ヤバい。ヤバい。どうしよう。どうしよう。
メイクするヒマないよ…。