甘味処[斬殺]
四月上旬、早朝七時半。窓側の小さなテーブルで新聞を片手に、三日村祐樹(ミカムラ・ユウキ)は朝食を取っていた。眠そうな二重の目を半分開けて、髪が方々に跳ねた寝癖頭のままで。
苺ジャムをやたらと多く塗り付けたトーストを噛り、それを甘すぎるオレンジジュースで流し込む。しばらくしてトーストが無くなると、デザートらしいヨーグルトに手をつけた。こちらにはヨーグルトとの比率を6:4くらいにしたブルーベリージャムが入っている。小さなスプーンでそれを掻き混ぜて、一口。ブルーベリーの甘さに掻き消されそうな、僅かなヨーグルトの味を探すように口の中に留める。潰れていないブルーベリーの果実を舌が見つけて、それを歯で潰してみた。口内の甘さが増したのを確認してから、祐樹は満足げに飲み込んだ。
そこでようやく、持っているだけだった新聞の記事に目を落とす。大きな見出し文字が目に入った。
『駅で男性変死』
興味があるのか無いのか、祐樹は眉を少し上げて、流すように記事を読み進めた。記事はおおよそ以下のような事を語っていた。
苺ジャムをやたらと多く塗り付けたトーストを噛り、それを甘すぎるオレンジジュースで流し込む。しばらくしてトーストが無くなると、デザートらしいヨーグルトに手をつけた。こちらにはヨーグルトとの比率を6:4くらいにしたブルーベリージャムが入っている。小さなスプーンでそれを掻き混ぜて、一口。ブルーベリーの甘さに掻き消されそうな、僅かなヨーグルトの味を探すように口の中に留める。潰れていないブルーベリーの果実を舌が見つけて、それを歯で潰してみた。口内の甘さが増したのを確認してから、祐樹は満足げに飲み込んだ。
そこでようやく、持っているだけだった新聞の記事に目を落とす。大きな見出し文字が目に入った。
『駅で男性変死』
興味があるのか無いのか、祐樹は眉を少し上げて、流すように記事を読み進めた。記事はおおよそ以下のような事を語っていた。